アノテーションの外部委託のメリットとは?委託先サービスの種類や会社の選定ポイントをご紹介
AI開発を進めるにあたってアノテーションの業務が必要であるものの、どのように実施すれば良いか迷っていませんか。
今回は、これからアノテーションをおこなおうとしている方に向け、アノテーション業務の一般的な進め方やアノテーションを外部委託するメリット、委託先の種類や選定のポイントをご紹介します。
- アノテーション業務の一般的な進め方
- アノテーションとは?
- アノテーションの進め方
- アノテーションの外部委託のメリット
- データ収集代行によるデータ量確保
- データ品質の確保
- ミッションクリティカルな大規模プロジェクトへの対応
- 専門知識を持つ人材不足への対応
- コア業務への集中が可能になる
- アノテーションの外部委託先の種類
- 1.強みによる違い
- 2.対応できるデータ型の違い
- 3.得意とする業界による違い
- アノテーション委託先サービス選定のポイント
- 外部委託費用の内訳を知り、選定に活かす
- 価格面だけでなくデータ品質を重視する
- 実績を確認する
- セキュリティへのこだわり・徹底度
- まとめ
- 品質・実績重視のアノテーションサービス
- 高セキュリティ環境
- 柔軟な対応力
アノテーション業務の一般的な進め方
企業がアノテーションをおこなう際の一般的な進め方を解説します。
アノテーションとは?
アノテーションとは、AIの機械学習に必要な教師データを作成することをいいます。
AIとは人工知能(Artificial Intelligence)を指し、人間の知能を模倣、再現する技術です。より精度を高めるためには学習が必要になり、AIの学習において中心的技術となるのが、機械学習です。
機械学習とは、データから機械(コンピューター)が自動で学習し、データの背景にあるルールやパターンを発見する方法です。学習した成果に基づいて予測・判断することができるため、高度なAI開発を進める際にはAIに機械学習をさせることは欠かせません。
その機械学習をおこなうには、学ぶデータが必要になります。それを「教師データ」と呼びますが、その教師データはAIが学習しやすいように最適化しなければなりません。その最適化の作業の一つがアノテーションです。
英単語の「annotation」は「注釈」という意味がありますが、AI開発におけるアノテーションは、AIに学習させたいテキストや音声、画像、動画などさまざまな形式のデータに、タグやメタデータを付ける作業を指します。
アノテーションの進め方
アノテーションは、一般的に社内でおこなうか、外部委託するかの大きく2通りに分かれます。
1.社内で実施
社内に構築したAI開発の専門チームが対応したり、新たにアノテーションを得意とする専門的な人材を雇ったり、アノテーションを実施できるツールを活用したり、アノテーション済みのデータセットを購入して活用したりする方法が挙げられます。
2.外部委託
外部のアノテーション専門企業やクラウドソーシングに委託し、アノテーションを代行してもらう方法です。クラウドソーシングとはインターネットを介して業務を依頼するビジネス形態のことです。
アノテーションの外部委託のメリット
アノテーションを外部委託するかどうかを迷っている場合には、外部委託することで得られる具体的なメリットを確認しておくのをおすすめします。
データ収集代行によるデータ量確保
AIの機械学習は先述の通り、収集するデータ量が多いほど学習精度が上がります。AI開発に際しては、通常、膨大なデータ量を扱いますが、自社では収集しきれない場合に、外部委託のほうが有効といえることがあります。
データ品質の確保
アノテーションと一口に言っても、誰がおこなうかによって品質が大きく変わってきます。自社で未経験の状態でおこなう場合と専門企業に外部委託するのとでは、品質の差は大きく出るでしょう。また委託先によっても、大きくその品質や精度が変わってきます。高い精度で実施してくれるアノテーション代行会社を選べばデータ品質が確保できます。
ミッションクリティカルな大規模プロジェクトへの対応
期日までに成果を確実に出さなければならない場合、またはインフラの分野など社会的に重要度が高く、さらに人命にかかわるような分野でのミッションクリティカルで大規模なAI開発プロジェクトにおいては、実績の多い委託先で実施するほうが確実といえます。
専門知識を持つ人材不足への対応
昨今は、どの企業も各分野の専門知識を持つIT人材が不足していますが、それはAI開発の分野においても同様です。人材不足を補うためにアウトソースを利用する考え方は時代に適合しています。
コア業務への集中が可能になる
アノテーション業務は外部のプロに委託し、社内のAI開発チームを企画開発などのよりクリエイティブなコア業務に集中させることができれば、生産性向上につながります。
アノテーションの外部委託先の種類
アノテーションの委託先にはいくつか種類がありますが、あまり認知されていないのが現状です。自社に合った最適な委託先を選べるよう、委託先のタイプごとに把握しておくのをおすすめします。
1.強みによる違い
アノテーション業務の何に強みを持つのかによって納品される結果が変わってきます。
●低コストと量を強みとするサービス
いわゆる格安で、スピーディーに大量のデータのアノテーションを実施することを強みとするサービスです。
例:ツール開発企業、クラウドワーカー
アノテーションをおこなうには通常、アノテーションツールと呼ばれる、業務を効率化できるツールが活用されます。そのツールを独自開発し提供してくれる企業や、クラウドワーカーを活用し、格安かつ短納期でアノテーションを対応してくれるような企業が例として挙げられます。
●データの品質やアノテーターの質を強みとするサービス
一方、アノテーションをおこなうデータ品質やアノテーターと呼ばれるアノテーションを実施する人材の質の高さを強みとするサービスがあります。
例:大手企業に納品実績のある専門企業
例えば大手企業の大規模なAI開発プロジェクトに納品実績のあるアノテーション専門企業は、このタイプに含まれます。
アノテーションは単純作業の部類となるため、スピードと量が重視されがちですが、精度の優先順位を下げてしまうと、ひとつひとつのデータが集合して構築されるAIシステムそのものの質が下がってしまいます。場合によっては使えないAIシステムができあがってしまう恐れもあります。そのため、アノテーションをおこなううえでデータ品質は非常に重要です。
2.対応できるデータ型の違い
●データ型の種類:画像・映像、テキスト、音声
委託先によって、アノテーションに対応できるデータ型は異なります。画像・映像、テキスト、音声のすべてに対応しているサービスもあれば、画像やテキストのみで、動画には対応していない、もしくはあまり得意ではないといったサービスもあります。
3.得意とする業界による違い
●業界:自動車、建設、ヘルスケア、小売、運輸・物流 、BFSI(銀行、金融サービス、保険)、通信・ITなど
AI開発は今やさまざまな業界や分野でおこなわれていますが、業界や分野によって特性があることから、委託先にも得意な業界や分野があるものです。
このようにアノテーションの委託先を選ぶ際にはさまざまな種類があることを知っておきましょう。
アノテーション委託先サービス選定のポイント
サービス選定に際しては、次のポイントを押さえて選定することをおすすめします。
外部委託費用の内訳を知り、選定に活かす
委託費用については多くの場合に比較対象となりますが、委託先によって内訳がまったく異なるため、注意が必要です。アノテーション対象となるデータの種類や量、人員数などによって大きく変わってきます。一般的な内訳を知っておきましょう。
例えばツールやソフトウェアを使用する費用がかかることがあります。またプロジェクト管理費があります。これは外部委託会社がアノテーションをおこなう人員のアサインやスケジューリング、情報伝達などの管理にかかる費用です。進捗管理にかかる費用であるため納品物の品質に関わります。
また品質保証費用として、チェック体制を強化するためにあえて費用項目として設定されていることもあります。品質を重視するタイプの外部委託先では、トリプルチェックをデフォルトのチェック体制としているところもあります。
費用の内訳を必ず確認し、何にかかる費用なのかを確認し、必要性や妥当性を吟味しましょう。
価格面だけでなくデータ品質を重視する
求めるデータに見合った価格かどうかを見極めることは重要ですが、何よりデータ品質を優先することで手戻りのリスクが減り、事業全体の成功につながります。
実績のほか、チェックはダブルチェックなのか、トリプルチェックなのかなどのチェック体制は細かく確認し、データ品質を重視するのをおすすめします。
実績を確認する
大規模プロジェクトやミッションクリティカルを重視する場合は、アノテーションの品質を知る意味でも、大手企業との取引実績などを確認することが重要です。
セキュリティへのこだわり・徹底度
アノテーションを委託する際に渡すデータには、個人情報や顔写真などが含まれていることもあるため、セキュリティ対策を徹底してもらわなければなりません。情報漏洩対策をしっかりと開示してもらいましょう。
まとめ
アノテーションをおこなう際には、外部委託することが多いと思われます。その際には、ぜひデータ品質を重視し、後悔のない委託先選定をおこなってください。
もしミッションクリティカルで品質重視の案件を抱えている場合は、ブライセンのアノテーションサービスをご利用ください。
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